
相続税申告を正しく行うためには、被相続人が生前に所有していた財産をすべて明らかにしたうえで、その財産の金額をもとに相続税を計算する必要があります。そのため、相続税申告には相続財産の調査が欠かせません。
ただし、被相続人が遺した財産の中には「相続の対象となる財産」と、「相続の対象外の財産」があります。また、相続税申告においては「相続税の課税対象となる財産」と、「相続税の課税対象外の財産」があるため、注意が必要です。
こちらでは、相続税申告のために相続財産調査を行う際に知っておきたい財産の扱いについてご説明いたします。
相続の対象となる財産と、相続の対象外の財産
相続の対象となる財産は、被相続人の死亡時点(相続の発生時点)に、被相続人が所有していた権利義務であり、これが遺産分割の対象となります。
この“権利義務”は、財産所有の権利はもちろんのこと、納税や借入金の返済のような義務も含まれることに注意が必要です。
現金や預貯金、不動産など、資産価値のある財産(プラスの財産)が相続財産だというのはイメージしやすいですが、借金や未納金、未払いのローンなどのマイナスの財産も相続の対象だということを忘れてはなりません。
ただし、被相続人が所有していた権利の中でも、例外的に相続財産に含まれず、相続の対象外となるものもあります。
「一身専属権」といわれる、特定の個人の人格や身分等に帰属し、他の人に引き継ぐことのできないものについては、その権利の性質から相続の対象外となります。例えば、雇用契約上の地位、代理権、配偶者居住権などが一身専属権にあたります。
相続税の課税対象となる財産と課税対象外の財産(みなし相続財産・債務控除)
相続税は相続財産に課税される税金ですが、「みなし相続財産」も相続税の課税対象となる点に注意が必要です。被相続人が亡くなったことにより受け取った生命保険金などが、みなし相続財産にあたります。
みなし相続財産は受け取った人の固有の財産となるため、相続財産とは異なり遺産分割の対象にはなりません。しかし、被相続人が亡くなったことにより取得した財産であるため、税法上は相続財産と同様の性質をもつものとみなされ、相続税の課税対象となるのです。
また、相続財産の一部が相続税の課税対象外となるケースもあります。非課税枠が設けられているために一定の額までは相続税が非課税になるものや、そもそも相続税の非課税財産であるため相続税の計算に含まなくてよいものもありますので、正しく理解しておきましょう。
そして債務については、被相続人が亡くなった時点で存在していた債務で、確実と認められるものについては、相続財産から控除することができます。また、被相続人の葬式に要した費用については、債務ではないものの、相続財産から控除してよいことになっています。
相続財産調査の重要な理由
相続手続きを滞りなく進めるため、さらに相続税を正しく計算するためには、しっかりと相続財産調査を行い、被相続人の財産をすべて明らかにし、その財産の扱いを適切に判断する必要があります。
相続財産調査を行った結果、プラスの財産を上回るマイナスの財産が発覚した場合には、相続放棄や限定承認を検討する必要もでてくるでしょう。
もし相続放棄や限定承認を選択するのであれば、「自己のために相続が開始したと知った日から3か月以内」に所定の手続きを行わなければなりません。また、相続税の申告および納税については「相続の発生を知った日の翌日から10か月以内」という期限があります。
相続手続きや相続税申告の準備を進める際は、このような期限が設けられた手続きに十分に気をつけましょう。これらの期限に間に合わせるためには、迅速かつ正確な相続財産調査が欠かせません。相続財産調査の方法について以下のページでご説明しておりますので、ご参考ください。
これまでお伝えしたように、相続税を正しく計算するためには、相続財産調査を行い、財産をどのように扱うべきかしっかりと理解する必要があります。
相続財産をすべて明らかにするためには、膨大な量の書類を収集することになりますので、時間も労力もかかる作業となります。また、専門的な知識がなければ対応が難しい場面もあるでしょう。
相続税申告を代行してもらおうと思って税理士事務所に依頼したのに、必要書類の収集には対応してもらえず、結局自分自身で書類を集めて準備しなければならないケースも少なくありません。
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