二次相続とは一般的に被相続人の配偶者が亡くなった際の相続のことを指します。相続人の立場から見ると、父親が先に亡くなった場合においては父の相続が一次相続、母の相続が二次相続ということです。
一次相続の時は配偶者が生きているため、「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」の適用によりで大幅な相続税の減額が期待できます。しかし、一次相続からあまり時間を空けることなく二次相続が発生すると、配偶者が相続した分も含め子が相続することになり、一次相続と二次相続を合わせて見たときに支払わないといけない相続税が高くなる可能性があるのです。
このような状況を鑑みると、一次相続時に配偶者がどの程度財産を取得すべきが検討することが重要となります。
一次相続よりも二次相続の時のほうが相続税が増える可能性が高い
下記の原因より、一次相続の時よりも二次相続時のほうが、相続税額が多くなる可能性が高いといえます。
- 法定相続人が減る(配偶者が無くなるため)。そのため基礎控除額が下がる。
- 一次相続で配偶者が得た財産と配偶者がそもそも所有していた財産が合算され、結果的に相続財産の総額が大きくなる。等
【事例】
- 一次相続 被相続人:父親A 相続人:母親B、娘C
- 二次相続 被相続人:母親B 相続人:娘C
- 一次相続:父親Aが亡くなった際に、母親Bは配偶者控除を最大限に活用し、全財産を取得した。しかし、取得した財産を使うことなく、2年後に母親Bも亡くなってしまった。
- 二次相続:一次相続で父親Aから相続した財産および母親Bがそもそも所有していた財産の合算が遺産となる。一次相続時よりも相続財産が増えるうえ、遺産総額が高くなるほど相続税の税率も大きくなるので、結果的に娘Cは多額の相続税を納めることに。
相次相続控除を活用して相続税額を抑える
前回の相続より10年以内に二次相続が発生した場合は、相次相続控除が適用でき、相続税の一部を控除可能です。
要件として下記を満たす必要があります。
- 相続放棄をしたり、相続権を失っておらず相続人であること
- 今回の相続が発生する10年以内に一次相続により遺産を取得していること
- 一次相続の時に相続税が課税されている
一次相続に続いて二次相続が近く発生しそうな場合には、先の状況までを見据えたうえで一次相続時の
財産の分配について考えましょう。